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iTunes と音楽 CD で気軽に音質をブラインド・テストするスクリプト

2010年06月15日(火)00時38分

【追記:2010/06/19】ABXテスト版に合わせてUIや内部表現を少し変更しました。

はじめに

このブログにおいてもたびたび、「自分は耳はたいしたことはない」と書いており、例えば iTunes で LAME を使うためのスクリプトを書いた際にも、冒頭で「自分ではそれを聴き分けるほどの優秀な耳を持っていないから」というふうに書いています。
が、これはウソです。
というのも、実際のところ「どうせ出来るわけがないから」と試してすらいないというのが真実で、つまり正確に表現するなら「わからないかどうかわからない」ということになります。
で、やったこともないのに「出来る」と主張するのはどうかと思いますが、やったこともないのに「出来ない」と断言しているのも、本質的なところでは同じ、論理的でないというか科学的でないというか、まあともかくそういう感じがするので、とりあえず実際に試してみようと思ったわけです。
そして、こういう音質テストでは、foobar2000 という音楽プレイヤー・ソフトの ABX comparator というプラグインを使って行うのが定番のようなのですが、何か準備とかいろいろ面倒そうに感じましたので、例のごとく iTunes 用のスクリプトを書いてみました。

スクリプトの準備

iBCDTester.txt ← 矢印左側の文字の上で右クリックし、「対象をファイルに保存(A)…」してダウンロードします。

iBCDTester対象をファイルに保存 

ダウンロードした「iBCDTester.txt」を右クリックし、「プロパティ」を見て、「ブロックの解除」ボタンがあれば押して「OK」します。

iBCDTesterブロックの解除

ダウンロードした「iBCDTester.txt」の拡張子(末尾の3文字)を「txt」から「hta」に変更し「iBCDTester.hta」とします。

iBCDTester拡張子変更

iTunes を起動してお気に入りの音楽 CD を挿入し、iBCDTester.hta を実行してください。

iBCDTester

アンインストール

レジストリに何か書き込んだり、システムフォルダに何かをコピーしたりということはしませんので、基本的にはスクリプトファイルを削除するだけです。
不具合等でスクリプトが正常に終了しなかった場合に、iTunes のライブラリに「_iBCDTester」というタイトルの楽曲が残ることがありますので、これが存在する場合は、iTunes のライブラリから削除してください(テスト中には削除しないでください)。

エンコード条件(ビットレート等)の変更

iTunes を外部からスクリプトで制御する場合、どのエンコーダを使うか(AAC や MP3 等)は指定できますが、各エンコーダの設定(ビットレート等)は変更できません。
これらのエンコード条件の指定は、iTunes 本体で「編集→設定→インポート設定」から各エンコーダの「設定」を変更することで行います。

「lame.exe」と「qtaacenc.exe」

「lame.exe」や「qtaacenc.exe」がスクリプトと同じフォルダに存在すると、これらでエンコードされた楽曲ファイルも比較対象として使用できます。
詳しくは「DnspTools フォルダの作り方」をご覧ください。

なにをやっているのか

この分野では ABX テストと呼ばれる方式が有名なようなんですが、最初に「ブラインドテスト」で検索して出てきた ABX テストを説明しているサイトに、なにやら難しそうな数式がチラリと見えたため読まなかったことにして(実際にはそんなに複雑な手法ではなかったのですが)、自身を含む総当たり戦の勝ち点方式にしました。
つまりサッカーの試合のように、勝ったら2点、分けたら1点、負けたら0点を加算していき、獲得した勝ち点の合計で最終的な順位が決定されます。
ただ、この方式ですと自分自身との対決、つまり WAVE トラック同士や MP3 トラック同士の場合、勝っても負けても分けても結局自分自身に2点入る無意味な試合になりますので、この同一トラック対決の時には、勝ち点方式ではなく正解率を出しています。
つまり「A=B」なら○、それ以外なら×として集計し、最後に正解の占める割合を算出します。

何がわかるのか

作り終えてからあらためて ABX テストについて調べてみると、これは基本的に「ある音 X が A か B かを当てる」という作業を繰り返し、その正解率を求めるもののようです。
なるほどこの方式ですと、「A と B の区別が付いているかどうか(自分に聞き分け能力があるかどうか)」のみを客観的に判定することが出来ます。
それに対して今回の方式は、「区別できているかどうか」に加えて「どちらが(自分にとって)好ましいか」という主観的な判断が混入します。
ということで、純粋に「聞き分け能力」のみを判定するのには向いていませんが、自分の好みも同時にわかるというメリットはありますので、ライブラリを構築する際の圧縮形式決定の一助になるかもしれません。
つまり、何度テストしても MP3 の方が WAVE より順位が高いのであれば、それは「自分の耳がおかしい(聞き分けられてない)」わけではなく、「聞き分けられた上で MP3 の方が好き」であるということですから、容量に余裕があってもあえて MP3 で圧縮するという選択肢もでできます。

つくるんじゃなかった…、こんなもの

で、実際にやってみた結果ですが、今まで口では「どうせ自分には聞き分けなんかできないし」なんてことを言いながらも、その実内心では「いくらなんでも WAVE と 128kbps の違いぐらいはわかると思うけどね」ぐらいには思ってました。
それどころか「ひょっとしたら iTunesLAME の MP3 の違いぐらいまで判別できちゃうかも!」なんて考えていた自分が悲しいです。
WAVE ファイルと MP3・qtaacencLAME のそれぞれ 128kbps とで聞き比べてみましたが、全部同じに聞こえます。
何度聴いても、何処を聴いても、ボリュームを上げても、曲を変えても、全然わかりません。

バグ?

あまりにも判別できないので「ひょっとしてスクリプトに問題があって全部 WAVE トラックを再生したりしてるんじゃ…」と、条件を変えてやってみました。
WAVE、qtaacenc(96kbps)、LAME(64kbps)、LAME(32kbps)と、ノーマル・テープに録音して安いラジカセで聞いてもわかるんじゃないかと思うくらいの音質4曲でやってみると、ちゃんと有意な結果が出てます。
これによってスクリプトのバグかも!という期待はもろくも崩れ去ることに…。
その上さらに、自分には WAVE と 96kbps の聞き分けすら実は怪しい、という残酷な現実まで突きつけられています。

幸せです

しかし、あまりよくはないだろうと予想していたものの、ここまで酷いとは思っていなかっただけにさすがにちょっとショックです。
確かに元々わりに「音楽は流れてさえいればそれでいいタイプ」な側に近い人間で、音質やその向上なんかにそこまで強いこだわりや思い入れはなかったとはいえ、それでもなんとなく 128kbps で長時間聴いていると何か疲れる?ように感じることはあったので、ひそかに聞き分けられているんじゃないか、とか思ってはいたのですが。
無理に言い訳すれば、例えばバスケのスリーポイントなんかを、はじめからバシバシ入れられるような人は(あまり)いません。
でもそれは「入れる能力がない」わけではなく、単にそういう作業に慣れていないためであって、練習をすればある程度はできるようになるわけです。
今回も同様に、「聞き分ける能力が(全く)ない」というわけではなく、これまでにそういう微小な音質の差異を聞き分ける作業の経験がなかった、ということが少しは結果に影響しているのかもしれません。
それと、いくらお気に入りの曲とはいえ、同じ曲を何十回、何百回と聴いていると、耳と脳が疲れて普段出来ていることも出来なくなっていった可能性もあります。
とはいえまあ、出来ないのなら出来ないで、音響関係にお金をかける必要(意味)がなく音楽を楽しめる幸せな体質、として前向きに受け取っていきたいと思います、ええ…orz。

結果その一

■iTunes 9.0.1.8 でのブラインド・テスト結果
[有効試行回数]
	・60回(3周)
[総正答率]
	・ 45.83%(11/24)
[順位(%は個別正答率)]
	・01.MP3: 27.78点( 33.33%)MP3(128kbps/44100Hz)
	・02.LMA: 26.39点( 66.67%)MP3-LAME(128kbps/44100Hz/-b 128 --noreplaygain)
	・03.WAV: 23.61点( 33.33%)WAVE(1411kbps/44100Hz)
	・04.QTA: 22.22点( 50.00%)AAC-qtaacenc(129kbps/44100Hz/--abr 128 --highest)
[試聴曲(末尾は再生回数)]
	・01.[Michael Jackson](Dangerous)01 Jam(76回)
	・02.[Michael Jackson](Dangerous)05 Remember The Time(62回)
	・03.[Michael Jackson](Dangerous)08 Black Or White(55回)
■個別対戦成績(%は勝率)
[WAV]
	・vs.WAV(  0.00%)0勝/0敗/0分
	・vs.MP3( 33.33%)2勝/2敗/2分
	・vs.QTA( 16.67%)1勝/1敗/4分
	・vs.LMA( 16.67%)1勝/2敗/3分
[MP3]
	・vs.WAV( 33.33%)2勝/2敗/2分
	・vs.MP3(  0.00%)0勝/0敗/0分
	・vs.QTA( 50.00%)3勝/2敗/1分
	・vs.LMA( 50.00%)3勝/2敗/1分
[QTA]
	・vs.WAV( 16.67%)1勝/1敗/4分
	・vs.MP3( 33.33%)2勝/3敗/1分
	・vs.QTA(  0.00%)0勝/0敗/0分
	・vs.LMA( 16.67%)1勝/2敗/3分
[LMA]
	・vs.WAV( 33.33%)2勝/1敗/3分
	・vs.MP3( 33.33%)2勝/3敗/1分
	・vs.QTA( 33.33%)2勝/1敗/3分
	・vs.LMA(  0.00%)0勝/0敗/0分
■解説
※順位は総当たり戦による勝ち点方式で算出されます。
数値(点)の高いものほどあなたにとって良い音であることを示します。
※正答率は同一トラック同士の比較時に正しく「A=B」を選択できた割合です。
数値(%)が高いほどあなたの聞き分け能力が高いことを示します。

結果その二

■iTunes 9.0.1.8 でのブラインド・テスト結果
[有効試行回数]
	・40回(2周)
[総正答率]
	・ 68.75%(11/16)
[順位(%は個別正答率)]
	・01.WAV: 45.83点( 50.00%)WAVE(1411kbps/44100Hz)
	・02.QTA: 37.50点( 25.00%)AAC-qtaacenc(96kbps/44100Hz/--abr 96 --highest)
	・03.LMA: 16.67点(100.00%)MP3-LAME(64kbps/24000Hz/-b 64 --noreplaygain)
	・04.LMB:  0.00点(100.00%)MP3-LAME(32kbps/16000Hz/-b 32 --noreplaygain)
[試聴曲(末尾は再生回数)]
	・01.[Michael Jackson](Number Ones)13 You Are Not Alone(60回)
	・02.[Michael Jackson](Number Ones)16 You Rock My World(51回)
■個別対戦成績(%は勝率)
[WAV]
	・vs.WAV(  0.00%)0勝/0敗/0分
	・vs.QTA( 50.00%)2勝/0敗/2分
	・vs.LMA(100.00%)4勝/0敗/0分
	・vs.LMB(100.00%)4勝/0敗/0分
[QTA]
	・vs.WAV(  0.00%)0勝/2敗/2分
	・vs.QTA(  0.00%)0勝/0敗/0分
	・vs.LMA(100.00%)4勝/0敗/0分
	・vs.LMB(100.00%)4勝/0敗/0分
[LMA]
	・vs.WAV(  0.00%)0勝/4敗/0分
	・vs.QTA(  0.00%)0勝/4敗/0分
	・vs.LMA(  0.00%)0勝/0敗/0分
	・vs.LMB(100.00%)4勝/0敗/0分
[LMB]
	・vs.WAV(  0.00%)0勝/4敗/0分
	・vs.QTA(  0.00%)0勝/4敗/0分
	・vs.LMA(  0.00%)0勝/4敗/0分
	・vs.LMB(  0.00%)0勝/0敗/0分
■解説
※順位は総当たり戦による勝ち点方式で算出されます。
数値(点)の高いものほどあなたにとって良い音であることを示します。
※正答率は同一トラック同士の比較時に正しく「A=B」を選択できた割合です。
数値(%)が高いほどあなたの聞き分け能力が高いことを示します。

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No title

興味深い記事をありがとうございます

ショックめいたことを書かれていますが、
音の聞き分けに関しては、ソフトウェアの環境より、
いろんなスピーカーやヘッドフォンで聞いた経験や、
実際の生楽器や電子楽器の直接音やマイクで拾った間接音の感じを記憶してるかによる気がします。
それが人それぞれ違ったりするから人によって判断が違ったりとか。

ありがとうございます

なぐさめをいただきありがとうございます。

読みながら、オンボ・サウンドに20年以上前のD/Aアンプ、
5年以上前に買った安物(1500円)のヘッドフォンで
聞き分けられると考えることが無謀だったのかもしれない、
と新しい言い訳を思いついたりしていました(笑)。

結局のところ耳も経験も機材も
何もかもが足りなかった当然の結果かもしれません。

その後いろいろなサイトを見て、
今回のスクリプトの大半を流用することで比較的簡単に
「ABXテスト兼音質聞き分けトレーニング・ツール」
のようなものを作れそうな気がするので、
近々そういうものを作ってリベンジを試みるかもしれません。

非常に高確率で返り討ちに遭いそうですが。
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