バックアップソフトとしての Windows Live Sync

2009年12月21日(月)22時49分

Windows Live Sync

Windows Live Sync というソフトを使っています。
これは Microsoft 社が公開しているファイル同期・共有ソフトで、Live ID を取得する必要がありますが、無料で使えます。
この Windows Live Sync を二台以上の PC にインストールし、最初にそれぞれの同期させるフォルダを設定しておけば、後はそれらの PC がオンラインになったとき、勝手にインターネット経由で互いのフォルダ内容の情報を交換し、最新のものに合わせてくれています。

特徴

このソフトの特徴は「WEB サーバ上にはファイルの実体が置かれない」ということで、例えば「このフォルダには「Sync.txt」というファイルが存在し、そのファイルの最新版は「A(デスクトップ PC)」に保存されている」という情報のみをやり取りします。
そしてそれと同期設定された「B(ノート PC)」がインターネットに接続されたに、その「Sync.txt」がなかったり、あるいはあっても古いものの場合は、「Sync.txt」の最新版を「A(デスクトップ PC)」から直接コピーします。
こういう仕組みですから、「B(ノート PC)」がオンラインになったとき「A(デスクトップ PC)」の電源が切れていたり、あるいはインターネットに接続されていなかった場合、「A(デスクトップ PC)」からコピーできないため、「B(ノート PC)」の持つ「Sync.txt」は古いまま、ということになります。

サーバ PC

これを防ぐには、例えば常時電源オンでインターネットに接続しっぱなしの「C(サーバ PC)」を用意して、これをサーバ的にファイルの仲介役として使用する、という方法があります。
つまり「A(デスクトップ PC)」で更新されたファイルも、「B(ノート PC)」で更新されたファイルも、全て一度「C(サーバ PC)」にコピーされ、そのことでどちらかがオフラインの時でも、常に「C(サーバ PC)」からコピーできるというわけです。
一見不便ですが、「WEB サーバ上にファイルの実体が置かれる」タイプの同期サービスとは違い、「C(サーバ PC)」のハードディスク容量を増やすことで、いくらでも(といっても各2万ファイルのフォルダ全20個という制限はありますが)同期容量を増やすことができますし、「サービス提供会社の回線が込み合っているため同期速度が遅くなる」という事態が発生する可能性もありません。
また、グローバル IP だのポート解放だのと考える必要もなく、PC をインターネットに接続して Windows Live Sync を起動しておくだけですみますから、サーバ PC を使って同じようなことを他の手段で実現するために必要な手間と比較すると、かなり難易度は低いといえます。

保証はない

ただ、この Windows Live Sync はその動作原理上、フォルダが最新のファイルで統一されている保障がない、ということになります。
「WEB サーバ上にファイルの実体が置かれる」タイプのように、常にコピー先・コピー元が存在するとは限らないため、ソフトウェア自身の設計が「コピー先・コピー元があればコピーしましょう」というスタンスになっています。
それはたとえサーバ的な PC を置いていたとしても変わることはなく、シャットダウンをすれば全てのファイルを送信できていなくても Windows は終了してしまいます。
そのため、例えば上記の状況で考えたとき、「A(デスクトップ PC)」で変更されたファイル全てを「C(サーバ PC)」にコピーする前に「A(デスクトップ PC)」をシャットダウンしてしまった場合、その後「B(ノート PC)」を起動していくら待っても「A(デスクトップ PC)」から「C(サーバ PC)」に移せなかったファイルは最新にはなりません。
つまり「部分的に最新」という事態が発生します。

向いていない

ですので、もし「ポータブル版のアプリケーションを詰め込んだフォルダを同期させ、自宅 PC・会社 PC・ノート PC で同じ環境を構築して使い倒す」みたいな使い方をしようとした場合、この同期タイミングずれによるファイル不整合によるトラブルが発生する可能性があります。
つまり、ブラウザやメーラーのような、アプリケーション起動時に自身が必要とする数多くのファイルを自動で読み込み、そして動作中もそれらのファイルを頻繁に更新しているようなソフトウェアを、うっかりそれら関連ファイルの一部しか更新されない状況を作ってしまったり、同期完了前に起動させてしまったりすると、データの整合性が崩れて非常に面倒な事態を引き起こす場合があります。
こういう用途では、「同期完了に要する充分な時間的余裕を持ってアプリケーションの起動や Windows の終了を行う」といった運用上の工夫が必要になってきます。
また、Windows Live Sync は、ファイルの変更箇所のみを送受信する「差分更新」ではないため、例えば巨大なファイルの一部分が変更された場合であっても、その全てを転送することになります。
そのため、例えば必要とする情報を巨大なデータベースとして持っていて、操作のたびにそのデータベースが頻繁に部分更新されるようなソフトウェアのポータブル版を同期させていたりすると、そのデータベースの同期処理が頻発して他のファイルの同期の妨げになり、余計に同期タイミングによるトラブルを呼び寄せることになります。

向いている

ですので、一番向いているのは、いつ更新されていてもかまわない、例えば「デジカメで撮った写真」のような、一度 PC に書き込んだらそれ以降はほとんど「見るだけ」みたいなものだと思います。
次点で、使用前に更新状態を確認可能なもの、例えば、表計算ソフトで作った表ファイルのような、アプリケーション起動後に編集対象のドキュメントを明示的に読み込むものであれば、データの同期が完了していることを確認してから使用することになりますので、同期タイミングによるトラブルは回避可能になります。
実際のところ、一つのフォルダを複数の PC が更新するという状況は同期ズレが発生しがちになりますので、なるべくなら運用規則として、「このフォルダはこのPC」というようにフォルダ毎にその内容を更新する PC を固定的にして、それ以外の PC からはそのフォルダ内に関しては閲覧を主とする、といった管理体制を作るのがいいのではないかと思います。

バックアップ

上記のような特性と、誰かが一度設定しておけば後は何もしなくても同期されている、という手軽さを考え合わせると、Windows Live Sync は PC にあまり詳しくない人を相手にしたバックアップソフトとして、非常に有力な選択肢ではないかと思うのです。
最近では、家族のそれぞれが自分用の PC を持っている、ということは珍しくありません。
そして、その中で自分が一番 PC に詳しいために、それら家族の PC の面倒をみることになっている、というような事態も極めてありがちな状況なのではないでしょうか。
「ないでしょうか」というかまあ、自己紹介をしてるようなものなんですが。
そういった場合、その「面倒を見る人」がサーバ的な PC を設置し、そこに家族各人の「マイ ドキュメント」フォルダだけでも Windows Live Sync 使って同期させておけば、少なくともハードウェア障害に対しては確実に強くなるでしょう(もちろん当人の誤操作によるファイル消去等に対してはどうしようもありませんが)。
最初に設定さえしておけば、日常では相手に「何か特別な操作」をしてもらう必要がなく、「常に勝手にバックアップが行われている」というのは、特にこういうケースでは非常に便利ではないかと思います。

年末・年始

これから年末・年始にかけて、家族・親戚のPCをみる機会も増えるので、そのときにでも一部この方式を導入してみようかと思っています。
今はメインのデスクトップ PC とサブのネットブックとのデータを同期させるために、古くなって引退状態だったノート PC を引っ張り出してきて仲介用のサーバ PC として使っているんですが、自分のためだけに PC を一台、常時電源オンで稼動させているというのも何かもったいない気がしますので。

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